更新年月日・2016年11月16日




みんなの劇場

11月になり、急に寒くなってきました。学校のイチョウの木も色づき始め、グラウンドのイチョウ並木は南から黄色になり、緑までの見事なグラデーションになっています。

学校では小学部の児童たちが可愛いお化けになって職員室などに「トリック オア トリート」と言ってやってきたり、6年生の修学旅行ではハローウインのディズニーランドへ出かけてアトラクションを楽しんできたようです。中学部では1年生は三ツ沢公園青少年野外センターへ宿泊学習、2年生も上郷・森の家へ宿泊学習、3年生は修学旅行で名古屋方面へ。高等部(本校、分教室)は現場実習が始まり、校内では木の枝を運搬整理、部品解体、エコキャップの選別、ペンキ塗り、パンフレットの折り込みなどを行いました。校外では上瀬谷自治会館やケアプラザ、本郷公園などでグループ実習したり、企業や福祉事業所でそれぞれ仕事を頑張っています。

話は私事になりますが、「みんなの劇場Unsere Theater」の主催者コロンビア人のオットーと出会ったのは15年前、私が自己啓発研修で1年間、ミュンヘン美術大学に留学していた時です。ある日、私は語学校の友人とスペイン語のパーティに参加しました。語学校の友人のアパートでスペイン語を話す人たち(スペイン人、コロンビア人、ペルー人など)いろんな人がいて卵料理やパエリアなどスペイン料理を作りました。会食の前にタバコを吸う人たちが喫煙ルームに行き、台所に残ったのは私とコロンビア人のオットーと奥さんのマリー(フランス人)だけでした。自己紹介から芸術の話が進み、オットーが劇団の主宰者であることを知りました。そして、その劇場はミュンヘンから1時間くらい離れた古い農家を改造して作っていると聞きました。ギャラリーも作っているから遊びに来いというので、数ヶ月後にシュヴァッハハウゼンという村に行きました。ところが劇場は完成どころかまだ、廃屋の農家でした。家の3分の2が牛舎で、そこに劇場を作るというのです。その廃屋でオットーは「みんなの劇場」を公演しながら資金を集め、自分で煉瓦を積みながら劇場をつくっているのです。オットーの情熱に感動しました。私はその後、帰国して数年後の夏にオットーの企画「日本人彫刻プロジェクト」で劇場の前にモニュメントを作りました。その滞在中に「みんなの劇場」を見る機会を得ました。その演劇はコロンビア人、イラク人、ペルー人、ドイツ人の役者が登場してその中には身体障害者やダウン症の役者もいるのです。まさに、インクルーシブな劇団だったのです。芸術というツールを媒介に世界中の人がつながっていく、スポーツではパラリンピックがまさにそうですね。

教育でも文部科学省からインクルーシブ教育システムの充実方策の報告が出ています。中学校で通級による指導が増えている(H6:296人→H26:8386人 約28倍  文部科学省H28.3「高等学校における通級による指導の制度化及び充実方策について(報告)概要」)。高等学校においても、障害に応じた特別の指導を行えるようにする必要性が報告されていて、神奈川県でも来年度から3校のパイロット校でインクルーシブ教育の推進に向けての取り組みが行われます。私たちもできるところから、意識を持っていくことが大切と思います。

                                         (教頭   田中 太賀志)

このページの先頭へもどる

このページに関するご質問は、神奈川県立瀬谷養護学校にお問い合わせください。 ⁄ サイトポリシー・免責事項・著作権