更新年月日・2016年12月15日




自立ということ

けやきや銀杏が色鮮やかに紅葉し、はらはらと舞う季節となりました。もうすぐ申年が終わり、酉年を迎えます。ちなみに十二支の干支はもともと農業用語としてつかわれてきたものだったそうです。農作物の成長過程を12段階で表したもので、9番目の申には「伸ばす」の意味から草木が伸びきり、実がなってどんどん成熟していく様子を表しているということです。10番目の酉は口の細い酒つぼを描いたもので収穫した作物から酒を抽出する意味や、収穫できる状態にあることから「実る」も表しているということです。申年に「伸びた」ものが酉年に「実る」ことを願いつつ、次の年を迎えたいと思います。

先日 東京大学先端科学技術研究センター准教授であり、医師の熊谷晋一郎氏の講演を聞く機会がありました。自立とは?という話の中で"自立"の反対語は"依存"と思われているが、人間は物であったり人であったり、さまざまなものに依存しないと生きていけないものである。人はさまざまなものに依存していて、一つひとつへの依存度が浅いので、何にも依存してないかのように錯覚している。"人である"というのはまさにそういうことであり、実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、"自立"といわれる状態なのだということ。だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。という話にはっとさせられました。

子どもたちの自立を目指した取組の中で、まず自分でできることを一つでも二つでも増やすということにとらわれがちですが、社会で生きていくためには、上手に依存できるように、人と関わる力を育てるということを大事にしていきたいと改めて思いました。

高等部の和太鼓部が地域で発表する機会が増え、発表の度に迫力のある演奏ができています。地域の人と関わる機会を増やし、"依存"できる場所を増やしていくことが、子どもたちの自立につながると考え、今後とも地域とつながる瀬谷養護学校でありたいと思っています。

今年の皆様の御支援に感謝しつつ、来年もどうぞよろしくお願いいたします。


                                         (教頭   樋笠 晴美)



このページの先頭へもどる

このページに関するご質問は、神奈川県立瀬谷養護学校にお問い合わせください。 ⁄ サイトポリシー・免責事項・著作権