更新年月日・2007年12月21日




年の暮れに想うこと

この季節、前庭のケヤキの落ち葉を毎日掃き集め、一息ついたら今度はグラウンドのイチョウ、敷き詰められた黄金色の絨毯の片付けに技能員さん3人の苦労は日々続いています。

今年の夏に私の田舎、山口県にいきました。20年ぶりに長門市までいくと、青海島の海岸めぐりより有名になっていたのは「金子みすゞ」でした。

金子みすゞ記念館には観光バスが連なり、団体客が溢れていました。

金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが、飛べる小鳥はわたしのやうに、地面を速くは走れない。私がからだをゆすっても、きれいな音は出ないけれど、あの鳴る鈴はわたしのやうにたくさんな唄は知らないよ。鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。

これは、障害児と関わりをもっている我々にはおなじみのみすゞの詩ですが、みすゞの次の詩も長門市の仙崎港の公園の記念碑に刻まれていて有名なものです。

物事は、一枚の紙に必ず裏と表があるように実に奥の深い真相があるものです。その奥深さを、みすゞのように少しでも悟りたいものです。

金子みすゞの詩「大漁」朝焼小焼だ大漁だ大羽鰯の大漁だ。浜は祭りのやうだけど海のなかでは何万もの鰯のとむらひするだろう。

さてもう一題

自宅近くのお寺の告知板に毎月、そのお寺の住職が「気にとめた言葉」が掲示されています。今月の言葉は私の気に止まりました。

希望に起き、愉快に働き、感謝に眠る

やるべきこと、楽しい今日の予定があるから元気よく起きる。

やり甲斐のある仕事、人から当てにされる役割、苦労はあっても打ち込める作業、仲間と協力し合っておこなう仕事を今日もする。

自分を今日一日、支え助けてくれた人やものに感謝しながら眠りにつく。

これが理想ですね。みなさま、よいお年をお迎えください。

                                     (副校長 小山田伸昭)

*金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴と」・「大漁」は、金子みすゞ著作保存会の了承を得て掲載しています。


高等部の現場実習特集


高等部1年

1年生は今回初めての現場実習を経験しました。初めてなので、事前学習もたっぷりしました。まず、「日本ミルクコミュニティ」での工場見学、次に、「菜の花ステーション」や「せや福祉ホーム」を見学しました。見学を通して、卒業後の生活について、具体的なイメージをえがいたり、働く人の姿を見て、どんなことに気をつけたらいいかなど考えたりするよい機会となりました。次は自分たちの実習です。校内で、2グループに分かれて会社を設立しました。『やまねここうぎょう(山猫興業)』では、ペットボトルキャップの袋詰めをしました。色分け、100個数える、袋に詰めてシーラーがけする、40袋を大きな袋に入れる、という作業です。特に難しかったのは色分けです。はじめに白いものと色の付いているものに分け、白は裏が青いものを分け、色が付いているものは6種類に分けるという作業です。でも2週間の実習でかなり上手に分けることができるようになりました。生産高もどんどん伸びていきました。みんなまじめによく取り組んでいました。『マネーズカンパニー』は教材会社から「お金セット」を受注しました。実際に小学生が使うものなので、間違いは許されません。みんな真剣にまた、丁寧に取り組みました。「できました」という報告も大きな声でできるようになりました。そのほか、お葬式のお返しカタログを作りました。順番を間違えると全部やり直しという厳しい作業です。『マネーズカンパニー』では、失敗したこともあったけれど、次の実習はもっとがんばりたいという感想もでていました。普段の学校生活と違って、「仕事をする」という意識を持ち、真剣に作業に取り組むという経験を通し、1年生全員がひとまわりもふたまわりも成長することができた、実りある現場実習だったと思います。


高等部2年

高等部2年の秋の実習が終わりました。今回は企業での個別実習組、企業や施設でのグループ実習組、校外実習組に分かれての体験でした。全員学校から離れるということで、不安と緊張の2週間だったと思います。企業個別実習はスーパーの品出し・リネン・老人ホーム・農園芸・ダンボール解体、組み立てなど様々な職種があり、自分にあった仕事は何なのかを考える良い機会になりました。グループ実習は4箇所に分かれて行いました。JA全農の野菜の袋詰め、アルプスカートンのダンボールの組み立て、大和自立センターの教材セット作り、神奈川農産の蕎麦のパンフレット作りなど、学校から離れ別の場所に通うことを初めて経験しました。4つのどの場所でも、自分の仕事ができたことの報告をしっかりしようとする態度が見られるようになってきました。校外実習は竹村町内会館で蕎麦種の袋詰めとペットボトルのふたの分類、午後は学校に戻ってきての環境整備で体を動かしました。蕎麦の小さな実をこぼさないように手元をよく見てスプーンを動かしていました。環境整備の一輪車操作も毎日の繰り返しの中で上達していきました。2週間みんなが一生懸命に取り組み、これから卒業後に向けて可能性を探る学習ができたと思います。御家庭、学園の方々のご協力ありがとうございました。


高等部3年

高等部3年生は40名と生徒数も多く、現場実習先も多岐に渡るため実習期間内では全員実施できないため、9月早々の開始から12月まで実習を行う生徒もいました。でもさすが3年生ということもあって、実習先ではこれまでの体験や学習の成果を十分発揮し精一杯仕事に取り組む姿が見られました。今回の現場実習はまさに「就職試験」との意気込みも高く、実習を終えて「頑張ったよ」と晴れやかな笑顔で報告する皆の姿に成長の証を実感できうれしい限りです。実習先からの朗報が楽しみです。校内実習では、「ペットボトルの蓋の種分け作業」「緩衝材づくり」「環境整備作業」に取り組みました。生徒の希望を取り入れ3週間でいろいろな作業経験をしました。意外なことに一番人気のあった作業は環境整備で、秋晴れの中での外作業は、解放感もあり楽しかったのかもしれません。校内の落ち葉の掃き掃除だけでなく、枝が伸びきった大きな木の伐採作業や運搬作業も重労働でしたが、皆弱音を吐かずにがんばれました。いろいろな方からの「ありがとう」「きれいになったね」の感謝のことばは、何にも勝る肉体労働の醍醐味でした。みんなご苦労様でした。


高等部分教室

現在の3年生が1年生だった2年前の秋は、校内実習を本校でやらせていただきました。昨年から分教室での校内実習になりましたが、初めて3学年がそろった今年の秋実習では、「分教社」という名前の事業所?を立ち上げることができました。分教社では、インターネット関係のチラシの枚数数え、袋へののり付け、引き出物用の商品アルバム作り(見本を見ながら丁寧にカードをアルバムに入れる)などの受注作業を分教室で行い、そして昨今注目の人材派遣事業にならってというわけではありませんが、学校から徒歩10分位の所にある近隣の企業で職場体験をさせていただきました。「三菱鉛筆」では文房具のシールはがしなどの作業を、「大木物流」では薬品のメーカー別の仕分け、箱詰めなどの仕事を行いました。1年生はシフトを組んで、校内、三菱、大木と全員が全てを体験し、「働く」ことの厳しさ大変さ、楽しさ喜びなどを知ることができ、また各々の課題も見えてきたという点で大きな成果がありました。何より、働くことにより、会社の方から「助かった」「ありがとう」という言葉をかけていただき、人の役に立つことの喜びを体験できたことが一番大きな収穫だったと思います。2年生は、多くの生徒が春のグループ実習からワンステップ進んで、個別の現場実習に臨みました。実習を終えての生徒たちの感想からは、「働く」ということがどういうことなのかがわかってきて、自信がついてきたことがうかがえました。3年生は、進路を決めるための実習ということで各人が各職場で「戦力」になるかということが試されました。春は3週目になって疲れが出たり、課題を指摘されたというケースもあったのですが、今回は3週目に入ってさらに仕事ぶりが安定したという評価をいただいた人も多く、社会人生活のスタートに向けて確実な進歩を見ることができました。


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